(side リョーマ)
「念の為今日一日様子だけは、気にかけてもらえますか?」
「はい。わかりました」
玄関先で靴を脱ぐ俺の頭上で、副部長と菜々子さんが会話をしている。
ホントに・・副部長のお節介・・・
桃先輩と別れた俺は、やり切れない想いを抱いたままトボトボと家へ向けて歩いていた。
まだ少し痛む頬・・・
それ以上に痛む心・・・
全部あの人のせいだ。
そんな事を考えながら、ゆっくりと・・・ただ地面だけを見つめて・・・
だから気付かなかった。
後ろから追い付いて来た副部長と英二先輩に・・・
『越前!』
そして容易に捕まってしまったんだ。
その後は、ほぼ強引に副部長におんぶされて家まで帰って来た。
そういえば・・・英二先輩は途中からいなくなってたけど、どうしたんだろう?
一瞬その時の様子を思い出そうとして、副部長の声に俺はまた思考を戻した。
「あと出来れば、ボールが当ったところをもう少し冷やしてやってもらえますか?」
「副部長。もう大丈夫って言ってるじゃないっスか!」
「リョーマさん!ここまで送ってきて頂いて、そんな口の利き方はいけませんよ」
「だって・・・」
俺は見下ろす菜々子さんから目線を外して小さく舌打ちした。
チェッ・・・ホントに大丈夫なのに・・・・
「スミマセン。両親には私からちゃんと伝えておきますので・・」
「いえいえ。では宜しくお願いします」
「はい」
「じゃあな越前。部屋でおとなしく寝てるんだぞ」
「ウィース・・」
「リョーマさん!」
「ハハハハ・・・じゃあ失礼します」
副部長は菜々子さんに頭を下げると、玄関をあとにした。
俺はそんな副部長の後姿を見送って、鞄を肩にかける。
そのまま黙って、2階の自分の部屋へと行こうとしたら菜々子さんに呼び止めたれた。
「リョーマさん。ホントに部屋でゆっくりしてて下さいね。
すぐに氷枕と飲み物を部屋に持って行きますから」
「別にいいって、冷やさなくても」
「駄目です。副部長さんと約束しましたから」
「・・・わかった。じゃあお願いするよ」
階段下でまっすぐ俺を見つめる菜々子さんを見て、心の中で大きく溜息をついた。
案外こういうお節介なところ・・・副部長と似てるかも・・・
自分の部屋に入って鞄を机の横に置くと、俺は帽子を床にほり投げてそのままベッドに倒れこんだ。
疲れた・・・・
実際は家まで副部長がおんぶしてくれたから、体は疲れてないんだけど・・・
精神的に参った。
中1にもなって、おんぶされて帰るなんて・・・思ってもみなかったよ。
殆ど見世物じゃん・・
こんな事なら、桃先輩の自転車の後ろの方がマシだったかな・・・
って・・・何考えてんだろ・・・・
俺はゴロッと体の向きを変えて天井を見つめた。
もう・・あの人の後ろに乗る事なんて・・・無いのに・・・
俺は手で顔を覆った。
桃先輩・・・あんた、なんであんな事するんだよ・・・・
あの時、俺は起きていた。
「よぉ!越前。起きてるか?」
ガラッと勢いよく開いたドアの音と、聞きなれた声。
すぐに桃先輩だと気付いた俺は、そのまま寝たふりをした。
今はまだ会いたくない・・・
心の準備が出来てないそう思ったから・・・
「おい。越前?」
桃先輩の声が近づいてくる。
どうやら一台一台ベッドを確認しているようだ。
副部長が来るって言ってたのに・・・
なんで桃先輩が・・・?
話が違うじゃないっスか・・・
ドキドキしだした鼓動が気になりながらも、それでも俺は目を明けなかった。
「なんだ・・・まだ寝てんのか・・・」
ベッドの横に辿り着いた時も・・・・
「ホントよく寝てんな」
至近距離で桃先輩を感じた時も・・・必死に目を瞑っていた。
今更起きてる事を気付かれるもの嫌だったし・・・
それに何を話していいのかもわかんなかったし・・・
大体仲直りしてないし・・・・
それ以前に副部長に保健室に連れて来てもらった時の桃先輩の姿を思い出すと・・・
気まずさが増してるし・・・・
っていうか・・・なんで・・・なんでこの人はここにいるの?
訳わかんないよ!
桃先輩の気配を感じながら、ドキドキがイライラに変わり始めた時に、もう一度桃先輩が俺を呼んだ。
「おい!越前。起きろ。迎えに来たぞ」
「・・・・・・」
俺は答えなかった。
既に起きているのに・・・
起きろと言われて、起きれるわけが無い。
だから必死に寝たふりに集中した。
気付かれないように、寝息までたてて・・・
それなのにあの人は、何を思ったのかまた俺に顔を近づけて微かに聞こえる程度に呟いたんだ。
「・・・・好きだ」
えっ?
俺はその言葉に耳を疑った。
誰が?誰を?
考えがまとまらない内に、桃先輩の唇が俺の唇に触れた。
う・・そ・・・・・・?
俺は弾かれるように目を明けた。
もう目を瞑っている事が出来なかった。
自分に起こっている事が、現実に起こっている事なのか・・・
頭の中がパニックになって、目を瞑り続ける事が出来なかった。
だけど目を明けた先には、やはり桃先輩の顔があった。
桃先輩・・・なんで・・・?
桃先輩は俺が目を明けた事に気付いたのか、ゆっくり唇を離すと目を明けた。
至近距離で目が合う。
桃先輩が驚いて固まったのがわかった。
俺はそんな桃先輩の態度に我に返って、両腕で桃先輩の肩を押した。
「あんた何してんスか?」
精一杯声を出した。
もう何がなんだかよくわからなくて、ただ桃先輩を睨みつけた。
「いや・・スマン・・これはその・・・」
桃先輩の目が泳ぐ、そして俺から目線を外した。
わからない・・・
好きだと呟きながら、あんな事しといて動揺する桃先輩。
俺の事なんだと思ってんの?
他の奴と一緒にしないでよ。
ホントに好きじゃないなら・・・
誰かを忘れる為の身代わりなら・・・こんな事しないでよ。
「いい加減にして下さいよ!誰かれなしにこんな・・・こんな事・・・」
俺は腕で口を拭いた。
そんなのだったら、絶対許せない。
「そんなんじゃねーよ!誰かれなしにだなんて・・・俺だって初めてなんだからな!」
叫ぶ桃先輩に、俺は戸惑いを隠せない。
ハァ?何だよそれ。意味わかんないよ!
「じゃあなんでこんな事するんスか!?」
「だから!それは俺がお前を・・・」
お前を・・・何・・・?
何なの?言ってよ桃先輩。
その言葉の先。
あの人を忘れる為に、自暴自棄になってんの?
だから手当たり次第告白してんの?
俺は・・・海堂先輩の身代わりなの?
ちゃんと説明してよ。
俺、わかんないよ・・・
あんたがわからない・・・
だけどどれだけ待っても桃先輩は、その先を言ってはくれなかった。
沈黙だけが2人を包んだ。
「もういい」
「えっ?」
俺は悟るしかなかった。
結局は、海堂先輩を忘れる為にやった事
だから・・・言えないんだ。
桃先輩にとって俺は、その他の女子と一緒って事なんだ。
俺はジャージを羽織り鞄を持つと、ベッドから降りた。
「帰る」
「帰るって、お前・・・1人で大丈夫なのか?」
ずっと床を見ていた桃先輩が、ようやく俺を見た。
今更そんな事・・・・
「桃先輩と帰るよりマシ」
「マシってお前・・・そんな理由で1人で帰せる訳ないだろ?
俺が嫌なら他の先輩に頼むから、ちょっと待ってろよ」
桃先輩が俺の腕を掴む。
俺は桃先輩の手を振りほどくほど勢いよく振り向いた。
「触るな!!!」
「え・・・ちぜん・・」
何だよ・・・何も言ってくれないくせに・・・
そんな事だけ・・・
「アンタは俺の事なんてちっともわかってない。俺の気持ちなんて・・・」
中途半端な優しさなんていらないんだ。
俺が聞きたかったのは・・・・
「越前・・・・悪かった」
桃先輩が頭を深く下げる。
何だよ・・・・
「なんで謝んのさ!謝るような事をしたと思ってんの?」
やめてよ・・・そんな事されたら・・・認めるしかないじゃん。
俺が想像した通りだって・・・
俺は海堂先輩の身代わりになったんだって・・・それが正解だって・・・
思うしかないじゃないっスか!
「だってお前!それは・・・」
桃先輩が戸惑いを顔に浮かべる。
何だよ・・・何であんたがそんな顔すんの?
戸惑ってんのは俺の方じゃん・・・そんな目で俺を見ないでよ・・・
「そんなだからわかんないんじゃん!あんた一体どうしたいの?
謝るぐらいなら、最初からやんなきゃいーじゃん!俺を惑わせないでよ!」
「・・・越前」
「帰る」
「おいっ!」
「ついて来ないでよね」
俺はそのまま桃先輩に背中を向けて、振り向く事無く学校を後にした。
桃先輩は追いかけては来なかった。
それが答え。
桃先輩の答え。
俺に好きだと言った言葉も、あのキスも、結局は身代わりだったんだ。
「リョーマさん入りますね」
「どうぞ」
返事をすると、菜々子さんが飲み物を持って部屋の中に入って来た。
「ここにジュースを、置いておきますね」
「あぁ。ありがとう」
「あと氷枕も・・・ちゃんと頬、冷やしておいて下さいね」
振り返った、菜々子さんが俺に氷枕を差し出す。
俺は体を少し起こして、それを受け取った。
「わかってるよ」
「それから私は今から少し出かけますけど、先輩の言う事を聞いておとなしくしてて下さいね」
「だから・・わかってるって、なんども同じ事を言わなくてもさ・・」
俺は受け取った氷枕を頭の下に引いて、菜々子さんを見上げた。
菜々子さんは微笑むと、ドアの方へ歩いて行く。
そしてドアの手前で止まると、誰かに声をかけた。
「じぁあ宜しくお願いします」
「わかりました!任せてください!」
えっ・・・!?
ちょっと、待って、この声・・・まさか・・・
「じゃあリョーマさん。行ってきますね」
「あっ!待って・・菜々・・」
俺の呼び止める声は菜々子さんには届かず、菜々子さんは部屋から出て行った。
そして代わりに部屋に入って来たのは・・
「よう・・」
やっぱり・・・・
「・・・桃先輩・・」
「お前のいとこのお姉さん、相変わらず綺麗だよな・・・羨ま・・」
呑気にドアの方を振り返りながら、俺にゆっくり近づく桃先輩。
「何しに来たんっスか?」
俺は桃先輩の言葉をさえぎり、体を起こしてベッドの上に座った。
家まで来て・・しかも部屋にまで上がりこむなんて・・・
一体何考えてんの?
俺は上目遣いに桃先輩を睨んだ。
「そう・・構えるなよ・・・俺だって色々考えてだな。ここまで来たんだからよ」
考える?
考えたのなら・・・来ないでよ。
「そんなの俺には関係ないし・・帰ってよ。今はあんたに会いたくない・・」
俺は桃先輩から目線を外し、俯いた。
俺をこれ以上傷つけないで・・
それなのに、桃先輩は俺の顔を覗き込むように、跪いて真剣な眼差しで俺を見上げた。
「そんな事言うなよ!」
なっ!!
余りにも近い顔に、思わず顔が赤くなる。
「ちょっと・・顔近いよ」
「あっ・・スマン・・・」
桃先輩は、俺から少し離れて頭をかいた。
「兎に角・・・帰れなんて言わずに、俺の話を聞いてくれよ」
いつもふざけてばっかりのこの人が、真っ直ぐ俺を見ている。
目線を外さず、強い眼差しを変えない・・・
俺はドキドキが止まらなかった。
どうせ・・・さっきの出来事を謝りに来たんでしょ?
そんなの、もう聞きたくないよ。
そう思う自分もいるのに、不意打ちにまた至近距離で桃先輩の顔を見て、この真剣な眼差しに心が揺らいだ。
「聞いたら・・・帰ってくれるんスか?」
「あぁ・・・聞いてくれたら帰る」
桃先輩は大きく頷いて、また俺へと距離を縮める。
俺はそんな桃先輩に少し後ずさりして、距離を保って聞いた。
「じゃあ・・何?早く話してよ」
「早くって・・・まぁ・・そうだな・・・」
早く話してよ・・・桃先輩・・・
俺だってそう何度もあんたから、謝りの言葉なんて聞きたくないんだ。
その言葉を聞く度に、身代わりだって思い知らされるから・・
だからこれが最後だよ。
あんたのその真剣な眼差しに免じて・・・
あと一度だけ聞いてあげる。
桃先輩は、節目がちに考えると改めて、俺へと視線を戻した。
「その前に1つだけ質問していいか?」
え?何?質問?
自分から話を聞いてくれって言っておいて、質問ってどういう事?
「それは答えなきゃいけないんスか?」
自分の気持ちを抑えて、桃先輩が謝るのを聞くつもりになったのに、質問という言葉に俺は眉を顰めた。
「そうだな。答えてくれた方が助かる」
助かる?
意味がわかんないよ・・・
「俺が答えられる事なんスか?」
「そりゃあお前の事だからな・・・お前以外には答えられない」
俺以外にはね・・・
目線を外さない桃先輩を見ながら、俺は小さく溜息をつくと改めて桃先輩を見据えた。
「いいっスよ。それで何なんっスか?」
「・・・越前・・・サンキュー・・」
桃先輩はそう呟くと、ベッドに手をついて更に俺への距離を縮める。
そして顔を近づけると、あらぬ事を口にした。
「俺の事・・・好きか?」
「えっ?」
一瞬時間が止まった。
桃先輩がそんな事を聞くなんて、予想もしていなかったら動揺が隠し切れない。
赤く染まった顔は、自分でもわかるぐらい熱かった。
「なななな・・何聞いてんの?あんた。そんな好きとか・・・馬鹿じゃないの?」
声が上擦る。
こんなに動揺して、顔を赤く染めてりゃ認めてるようなものなのに、俺は精一杯虚勢をはった。
それでも・・・気付かれたくない。
そんな思いだけで、更に言葉を続けた。
「だいたい・・男同士でそんな・・・あんたおかしいんじゃないの?」
睨む目に力が入らないのをわかっていても、睨み続けた。
「越前・・・」
桃先輩は眉間にシワを寄せると、ベッドに乗り上げて俺の腕を掴んだ。
「ちょっ・・何?」
驚いた俺の体が、ビクリと反応する。
「悪ぃ。試すような事をして・・・」
「試す?何スかそれ?それより・・いいから手を離してよ」
桃先輩の握る手の強さに、眼差しの強さに、俺は逃れようと必死にベッドの上を後退りする。
だけど桃先輩は俺を逃さないようにと、更に手に力を入れた。
「男同士でも好きになっちまう事ってあるんだよな」
「だから何言ってんの?俺は・・・」
背中が壁に当たって、それ以上後ろに下がれなくなった俺は、桃先輩の手を振りほどこうと、手をかけた。
「越前・・・俺は、お前に惚れてる」
「・・えっ?」
何・・・・・今なんて言ったの・・・?
俺は顔を上げて桃先輩を見た。
至近距離で目が合う。
「どうしようもなく・・好きだ」
「桃・・・先輩・・・?」
桃先輩が俺を、好き・・だって・・・?
じゃあなんで、あの時に何も言ってくれなかったんスか?
それに俺が好きなら・・なんで女子に告白したりするんスか?
早鐘を打ち出した心とは裏腹に、俺の疑問は溢れてくる。
「お前は?」
「俺・・は・・・」
好き、だけど・・・だけど・・・
「海堂先輩は?」
「ハァ?」
咄嗟に海堂先輩の名前を出した。
だってわからない事が多すぎて・・・腑に落ちないじゃん
桃先輩は、空いた手で自分の頭をぐしゃぐしゃかくと「あー!」と叫んだ。
「なんでアイツがここで出てくるんだよ?アイツは関係ねぇ。前にその話はしただろうが!」
「じゃあ・・なんで女子に告ったりするのさ」
「そっそれは、お前に惚れてる事に気付いてだな・・このままだと不味いと思ったんだよ」
「それが女子に告る事に繋がるの?」
俺はここぞとばかり質問した。
はっきりさせなきゃ・・・素直に喜べない。
「お前との関係を壊したくなかったんだよ。
俺がお前を好きでも、お前は違うかも知れねぇだろ?
だから無理にでも他の奴を好きになって、忘れようとしたんだよ」
「海堂先輩には言ったのに・・」
あの日、俺は見ていた。それを忘れた訳じゃないよね?
教えてよ。俺と、あの人の違い・・・
「それは・・・それだけ怖かったんだよ。お前に告ってこの関係がおかしくなるのが・・・
お前が俺から離れるかもしれないと思ったら、怖くて言えなかったんだよ」
桃先輩はそういいながら、空いた手で今度は俺の頬に触れた。
「察しろよ。それだけ惚れてんだよ」
まっすぐ俺を見つめる瞳に、俺は何も言えなくなった。
ヤバイ・・・顔が痛いくらい熱い。
「なぁ。それで、お前はどうなんだ?俺の事、どう思ってる?」
桃先輩の事・・・
言っていいのかな・・・?
信じていいのかな・・・?
俺は俯いて、小さく呟いた。
「・・・好き・・っス・・・」
「越前・・・」
桃先輩の呟きと同時に、俺は引き寄せられて抱きしめられた。
「わっ!」
「ヨッシャー!そうかお前も俺を・・・良かったー!」
ギュッと背中に回した手に力を入れられて、顔が桃先輩の胸に埋まる。
「ちょっと苦しいよ!」
「さっき、かまかけて好きか?って聞いた時の様子で何となくわかってたけどよ。
やっぱちゃんと聞くまでは怖くて仕方なかったぜ」
えっ?かま?じゃああれは俺の反応を見る為に聞いたの?
それで、俺の気持ち知ってて・・・どう思ってるって聞いたの?
俺にあんたを好きだと言わせる為に・・・・?
この・・・
「・・・・曲者」
「ん?何だって?」
桃先輩がようやく腕の力を緩めた。
「何でもない。それより、ちょっと離れてよ」
「嫌だね。もう少しこのままでいさせろよ」
「俺、これでもけが人なんスけど?」
「なっ!」
桃先輩は言葉を詰まらせると、パッと手を離した。
「お前さぁ・・・それを今言う?」
「ホントの事じゃん」
見上げる俺の顔を見ながら桃先輩は頭をかいた。
「せっかく両思いになれたのに・・・つれねぇ〜な。つれねぇ〜よ」
あんたが俺にかまをかけるのが、悪い。
青学一の曲者
だけど・・・
「それでも俺の事、好きなんでしょ?」
不敵な笑顔を作ると、桃先輩が笑顔を見せた。
「あぁ。それでも好きだ」
桃先輩・・・・
溢れる感情に、今度は俺から桃先輩に抱きついた。
「おっおい・・・抱きついてていいのか?」
「いいっスよ。その代わり・・・馬鹿力ださないでよね」
「わかった」
桃先輩が俺を優しく抱きしめる。
「ねぇ桃先輩。明日迎えに来てよ」
「あぁ。いいぜ。毎日だって迎えに来てやるよ」
温かい腕の中でやっと、素直に気持ちを受け入れられる気がした。
桃先輩の俺への気持ち
好きという気持ち
桃先輩・・・
今日からあんたの自転車の後ろは、俺のものだからね
近藤くんお誕生日おめでとうvvvv
今年も・・・ギリギリだけど、お祝いが出来て良かったです!
しかし・・・去年の今日、この連載が始まったんですよね・・・
あれから1年、まさかこんなにかかるとは・・・☆
兎に角、1年付き合ってくださった方
最後まで読んで下さった方・・・本当にありがとうございましたvv
2009.6.5